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2011年03月18日 (金) | Edit |
薬剤師など医療関係者によくお願いしていることがあります。
「聴覚障害者には筆談すればよい」というステレオタイプ的な
対応をされる方がたくさんいらっしゃいます。

筆談してはダメという意味ではありません。
「文章が苦手な人が多い。」ということを念頭に置き、
相手に伝わっているかどうか、手話などの別の方法が必要では
ないかを検討しながら、相手の反応を注意深く観察しながら
コミュニケーションを取るようにお願いします。
必要であれば手話通訳者の協力をもらって下さい。
(他の選択肢として、私のようなろうの薬剤師が出向できるように
 なることの理解普及を現在行っています)

何よりも大切なのはお互いに伝えあえる方法を作ることです。

特に先天的に耳が聞こえなかった人は読み書きが非常に苦手です。
また高齢ろう者であればあるほど、苦手な傾向があります。


以下に「大阪府薬雑誌」に掲載して頂いた一部を紹介いたします。
「ろう者」は「手話を日常的に用いる聴覚障害者」としてお読み下さい。

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聴覚障害者の傾向と歴史背景
まず、傾向として次が挙げられます。
 ○ろう者も含め聴覚障害者は、文章が苦手な人が多い
 ○ろう者も含め聴覚障害者は、分からなくてもうなずいて分かったふりをする

この2点は、特に先天的もしくは幼少期に失聴した高齢ろう者に顕著です。
これまでにろう者に接したことがある方は、なんとなく心当たりはありませんか?
「伝わったつもりが、実は伝わっていないことがある。」これは私の最初の
勤務地でもある愛媛県薬剤師会宇和島支部が調査した結果でも示されています。
「薬の説明や用法などを十分に説明できたと思う」と答えた薬剤師は65%で
「医療機関や薬局でコミュニケーションがうまくと
れていると思う」と答えた聴覚障害者は32%にとどまりました
(『調剤と情報2010年12月号』に記載)。


これには次のような歴史があります。
 ○昭和初期はほとんどのろう学校で手話が禁止されていた
 ○聴こえなくて理解できなくても、我慢するように教育されていた


 文章が書けるようになるためには、先に会話による言葉の習得が
欠かせません。自分が小さい時、または子育てをした時のことを思い出して
見て下さい。幼児時にある程度おしゃべりが出来るようになってから、
その次に読み書きを覚えてきたのではないでしょうか?耳が聞こえないと
口の動きだけではなかなか会話を習得できませんから、文章の読み書きが出来る
ようになるまで大変な労力が要ります。
 そんな中で、聞こえない人がスムーズに会話出来る「手話」を奪ってしまった
環境は、物事を理解することが困難な聴覚障害者を増やしました。
 しかも、周りの話を聴こえなかったために分からなかったことですら
「あなたは耳が聞こえないのだから我慢しなさい。周囲の話をさえぎってはいけ
ません。」と教育されてきた人が多いので、うなずいて分かったふりをすること
が習慣として身についてしまっています。コミュニケーションが通じにくい相手に
聞き返すだけでもしんどいのに聞き返さない方が良いとしつけられてきたのです。
幼少期に身についた習慣はなかなか変えられず、服薬指導などの医療現場でも
あいまいなままわかったふりをして帰る人が後を絶ちません。

私が愛媛県宇和島市にて経験したことですが、日本地図を見せても不思議そうに
「これは何?」と見つめていた患者さんがいました。数字の5を理解して頂くために、
いきなり「5」と表すのではなく、「1,2,3,4,5」と1から順に説明をしないと理解
できない患者さんもいました。知的障害は全くありません。聴覚障害だけの方です。
このような人と出会うと、聴覚障害は周囲の環境次第では重い障害になるのだなと
思わずには居られません。


                (「大阪府薬雑誌」2011年3月号より一部抜粋)
            http://masaone.blog129.fc2.com/blog-entry-176.html
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コメント
この記事へのコメント
こんにちは^^
初めてコメントさせて頂きます^^
薬学生です。
ろう者は文章が苦手な方もいらっしゃると知りました。
ろう者は病院や薬局で渡される「薬の説明書」についてどのように感じているのか、もし宜しければ教えて下さい。 
また、「薬の説明書」について何か工夫されていること等はありますでしょうか?
2012/05/07(Mon) 16:54 | URL  | a #-[ 編集]
書き込みをありがとうございました。
「薬の説明書」ですが、写真と朝昼夕食後ぐらいの
言葉ぐらいは理解できる方が多いので、助かると
考えている方が多いと思います。
ですが、薬効や副作用などの文章までは理解できない
方が多いです。
工夫は必要ですが、コンピュータのシステム上、
一人一人に合わせたものを出すのは難しいので、
私は別にその人に合わせて作ってあげたりする
ことがあります。ただ、渡すだけでなく、手話で
説明しながらであることが必要と感じています。
2012/05/08(Tue) 21:27 | URL  | Masa #-[ 編集]
回答ありがとうございました!
いつも参考にさせて頂いてます^^

ろう者が薬や健康に興味を持ちQOLが高まることを望んでいます。

以前の大通研今里教室で⑤薬局の上手な利用の仕方
と書かれていたことが気になりました^^
どういったお話をされましたか?
2012/05/10(Thu) 12:31 | URL  | a #-[ 編集]
こんにちは。
関心を持って頂き、ありがとうございます。

「薬局の上手な利用の仕方」ですが、
普遍的なお話です。
「かかりつけ薬局」を持つことのすすめや
「一包化」「居宅療養管理指導」などの
サービスがあるという情報提供です。

「かかりつけ薬局」については薬剤師が
もっと努力する必要がある部分ですが・・・
2012/05/13(Sun) 10:16 | URL  | Masa #-[ 編集]
回答ありがとうございます^^

手話通訳者が多くのサービスを知ることができれば、手話通訳による医療の情報をよりろう者に広めていくことが出来ますね。

「一包化」もまだまだ知られていないのですね。
一般の方にまだ知られていないと感じる言葉は他にもありますか?

masaさんのように、活動されてる薬剤師さんも多くいらっしゃいますね。
ろう者が薬局などの医療施設を敬遠しないような環境にするためにも、今後薬剤師の理解と対応が求められていくのですね・・・
2012/05/15(Tue) 10:56 | URL  | a #-[ 編集]
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